現代アートの楽しみ方と情報収集
とある先輩に勧められて読んでみました。
原田マハさんは売れっ子作家であり、美術を扱った作品も多いようですが、そこでは現代美術より近代絵画を扱っていることが多いように思います。ですが元々キュレーターだったので、おそらくその頃は、むしろ現代美術に接していることが多かったことでしょう。
内容は、現役のキュレーターの高橋瑞木さんとの対談ですが、旧知ということもありキャッキャウフフしてて楽しく盛り上がっている様子が伝わってきます。作品解説などは、さすが元キュレーター、王道の見方、変に色付けされてなく、安心して勧められます。おすすめです。
ちょっと意外だったのが、美術館を紹介する章があるのですが、川村美術館について触れてないのですこし「ん?」となりました。現代美術の概観を捉えるには、川村美術館はとてもおすすめしたい美術館です。
この本で触れていることで、これ大事と思ったところは、事前にある程度調べてから見に行くと良い、ということです。例えて言うなら、こういう展示を想像してみてください。「ジョン・レノンを暗殺した銃に、その時込められていた、発射されずに残っていた弾丸が展示してある」というのを思い浮かべてみてください。モノとしては、工業製品なので、なんの説明も無ければ他の銃弾となんら変わりない。ただそれがあった状況、背景、というものを考えたときにだけ意味がでるのです。すべてではないですが、現代美術にはそんな作品背景への理解が無いと何もわからないというものも結構あるので、ある程度ざっくり調べておいたほうが美術館で楽しめることと思います。(本当は古典絵画なんかも一緒で、背景が分かってないと、ただ「絵が上手だね」という理解で終わってしまうのですが)
もちろんその場で解説文が掲示してあったり音声ガイダンスがあったりすると思いますが、解説を読んで、見比べて、読んで、見比べてではたんなる答え合わせになるのできれば事前にある程度知っておいて、現場ではそれを一旦置いて、落ち着いて鑑賞できたほうがベストでしょう。
インターネットではWikipediaをはじめ、美術館や美術誌の記事などもあります。ほかにとてもおもしろいブログなどもありますのでご紹介致します。
こちらではむしろ古典絵画から近代までが充実しています。ルネサンスの巨匠からマニアックな画家までカバー。とてもおもしろく書かれています。
音声コンテンツならこちらがおすすめ。
こちらは古典絵画から現代美術まで、基本的には毎回一人の画家にフォーカスして解説されています。Podcast / Spotify / ラジオクラウドなど、多くの媒体で聞くことができます。
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