「美術の窓」のとある一冊

今、石膏デッサンは必要か。

いつもの画材屋さん(朋友堂カマタさん)でふと面白そうな本があったので手にとってパラパラ見てみるとなかなかおもしろそうで、ついつい見てました。色々懐かしい。

お店の方に「ご自由にどうぞ」と声をかけられ気がつくと、そのとおり「ご自由にお持ちください」のワゴンにおいてありました。少しくたびれてますがなかなか立派な本。12月号だから去年の12月かな。もらって帰りました。

去年の12月号かと思ったら2005年の号でした。フリーワゴンとはいえ何故?

内容はとても面白く、会田誠氏のインタビューは、同世代ということもあって、一つ一つが懐かしくうなずく話でした。ただ「僕(会田氏)の翌年は久しぶりに試験に石膏が出て受験生がおたついた」という発言がありましたがこれは会田氏の記憶違い。なぜなら彼の翌年は自分が受験して、石膏ではなかったから間違いありません。

その後、私が芸大の試験官をやったときに大量の石膏を見た記憶があるので、「久しぶりに芸大の試験に石膏が出た」というのは事実ですがもう少しあとの話です。

それから野見山暁治先生のインタビュー。野見山先生は、それまで芸大の入試問題は石膏デッサンだったのを、石膏を排除し、試験制度を改革した教授としてあとあとまで語り継がれ、その話だけは知ってる人は多いと思いますが、それに至るまでの経緯や心情が直接語られててとてもおもしろい。さらに、石膏をやめて花を描かせたらお金がかかって周りからうるさく言われた話であるとかもなるほどな話。助手や出題官として大沼映夫先生、中林忠良先生と懐かしい名前が出てくるのも個人的に楽しい話でした。

著名な画家の石膏像も多く収録されていて、島田章三、村上隆、小松崎邦雄、黒田清輝、佐伯祐三、有元利夫の石膏像が。ちょっと笑ってしまいました。意外と皆真面目に描いているもんだなと。

村上隆氏の石膏デッサン。意外と真面目

実は「美術の窓」って買ったこと無かったかもしれません。今回も買っていませんが。学生の頃は美術誌と言えばまず「美術手帖(BT)」たまに「芸術新潮」気になる号があれば古い「みづゑ」なんて感じでしたが「美術の窓」も良いかもしれないですね。ちょっと気にしてみます。