とある先輩に勧められて読んでみました。

現代アートをたのしむ / 祥伝社

原田マハさんは売れっ子作家であり、美術を扱った作品も多いようですが、そこでは現代美術より近代絵画を扱っていることが多いように思います。ですが元々キュレーターだったので、おそらくその頃は、むしろ現代美術に接していることが多かったことでしょう。

うちねこがいえでするとき 作・井川拓+絵・北村愛子

絵本のご紹介です。「うちねこがいえでするとき」作・井川拓+絵・北村愛子 です。

コミック「ブルーピリオド」7巻がでました。ブルーピリオド、この漫画おすすめです。

何をやってもそつなくこなす、勉強もできるチャラい高校生・八虎が美術に出会い、芸大を目指し苦闘しながら受験に向かうというストーリーで、今7巻では受験後になってます(ネタバレ避けた)

作者が芸大卒ということもあって、作中の絵の描き方や見かた、試験に向かっての流れも変な嘘がありません。細部に至るまでよく描かれています。だいたいそのとおりで感心します。ただ嘘がないというだけでなく、さすがプロの漫画家さんだけあって惹きつける物語構成で読ませます。2020年マンガ大賞をはじめ多くの賞を取っているのも納得です。

苦笑したのが、予備校の面談で先生が理路整然と突きつける指摘。確かにそれそのとおり、なんだけど、こんなに親切で理屈立てて正論言ってくれる先生なんていなかったなぁ(笑)結論はそこに至るんですけどね。自分の絵が駄目なときの講評は

「全然だめ」(それ以外の説明なし)

とか

「…特にいうことないわ、お前ら(周りの人)なんか言ってやれよ」(それ以上説明なし)

とか。それはそのとおりで、本当にだめな絵というのはどっちつかずで右に行けとも左に行けとも言えて、それは自分で考えて選ぶしかなくて。友人や先輩と直接話したり、ときには見様見真似で真似してみたり、先輩の残した参考作品から読み取ったり、技法書を読んでみたり。たどり着くまでえらくかかって、苦労したものです。だからこそ身についたことも多いのでしょう。

読んでいて懐かしさや思い出すことも多いです、また自分自身もフレッシュなモチベーションが湧き上がってきます。初心を振り返ったり。

これから描く人や、過去受験した人は一層楽しめる良作です。※もちろんどちらでもない人にとっても面白い作品です。