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ジェルデと民藝

ジェルデ社のランプが素晴らしい。

1950年頃にフランスで工業用(作業用)として生まれたランプです。断線の多かった作業用回転式ライトを当時作業員だった男が改良し、ワイヤレス化したのです。導線はパイプの中に通し、ジョイント内部に接点リングを使って通電させるという仕組み。以来、ロングセラーを続けインテリアとしても注目され今も変わらぬ姿で販売されています。

コリッとした丸いジョイントとランプシェードのハンドルくらいしか特徴が無いんですが、存在感のあるフォルムです。

写真は、白のモデル。最も人気がないらしい。いいと思うんですけどね(笑)…ちなみに一番人気があるのは金属むき出しタイプらしい。

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写真で見ると「オシャレ」な印象の場合もありますが、実際に見るとなかなかデカくてびっくりします。さすが工業用。見ると、鋳造時のバリがいっぱい。工業用とはいえインテリア用としても多く出ている現在もこれというのは日本人ではあり得ないセンスかも。

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関節部を接点リングで通電させているとどんな特徴になるかというと、この関節、360度以上限界なくぐるぐる回せる。それと、この骨を足したり減らしたりで自由に長さを変えることが出来る。で、5本も繋げば2mを優に越える立派なフロアライトになる、という。

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ただ基本的にこのライト、ベースというのが元々、無かったっぽい。上の白いジェルデみたいにクランプだったり壁にネジ止め直付けだったりが基本で。で、定番の改造手法が、車のブレーキローターをベースとして使うというもの。重みもあってぴったりです。誰が考えたものか上手いことやるものです(さすがにフロアライトくらい高さがあると不安定になりますが)

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ジェルデは中古…というかアンティークとしても人気で、サビだらけ傷だらけヘコみありのボロボロのやつが現行品と同等で流通していたり、状態によっては現行品以上のお値段だったりします。改造も盛んで、古いものの塗装を剥いで磨くというのが多いパターンでしょうか。

ジェルデのランプは全てゴツいのかというとそうではなく、現行品では「シグナル」というモデルがあり、こちらはランプも小ぶりで卓上でも収まりがよくアンティークなインテリアらしい風情もあり、ベースもついていて実に使いやすそう。普通のジェルデから比べるとカワイイ感じですがデスクランプとしてはよくあるサイズですかね。

ところがシグナル、このサイト→ 【楽天市場】INTERIOR > 照明 > テーブルランプ、デスクランプ > JIELDE/Desk Lamp-Signal ジェルデ/デスクランプ-シグナル:a.depeche  によると

こちらのJIELDE-シグナルタイプは 一般家庭で使用することを目的に作られたため、 ワイヤーレスジョイント仕様ではございません。

とあります。シグナルも通常同様ワイヤレスジョイントだと謳ったサイトもありますが一体…?

というわけで実物を見てきました。分解したわけではないので分からないのですが、確かにジョイントは「どこまでも回転」はしないで一定角度で止まるようになっておりました。実用上、それで何の問題もないんですけどね。

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柳宗悦の「民藝」という考え方がありまして。

例えば茶碗。その土地で作られた名物というわけでもなく、その土地の人が使うために作られている。技巧に凝らず素朴で、それに見合った柄が(時に自己流で?)付けられ、衒いのない素朴な味がある、という。

それがひとたび注目されると、技巧を凝らすようになり手をつくし素朴さが失われウケを狙い、それまでにあった「民藝」の魅力が消え失せてしまう。個性を発揮しようとしてむしろ陳腐化する、みたいな。

ジェルデにはそんな衒いのない機能美からくる「民藝」的な魅力があって、それゆえに愛されているんだろうなと思います。