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天国の暮らし

私が死んでしばらく歩くと、案内所があったので聞いてみた。

「私はどこへ行けば?」

背の高い上品な案内人は答えた。

「どちらへ行きたいのですか?」

私「天国とか行けますか」

案内人「では、あちらのドアの向こうです」

私「誰でも行けるのですか?」

案内人「天国が無いと思ってる人や、天国へ行けないと思ってる人は行けません」

私「立派な人間ではないのですが」

案内人「行かないのも自由です」

私「行きます」

ドアを開けると、海辺だった。潮風が吹きカモメが飛んでる。

私「蓮の花が咲いてるとか、子供の天使が飛び回ってるとか、雲がふわふわしてたりしないんだ」

案内人「そういう人もいます」

私「人によって違うのですか?」

案内人「違います」

私「日々何をしてるのですか」

案内人「働いてらっしゃる方も多いですよ」

しばらく考えて私は答えた。

私「では私もそうすることにしましょう」

浜辺をしばらく歩いていると岬に灯台が見えてきた。灯台のたもとに小さな家がある。あそこでこれから暮らすことになる。

家に入る。ほどよく手入れされ、テーブルにはノートパソコンと筆記具、ノートがあり、書棚は少し大きく、まだ読んだことのない読みたかった本が詰まっていた。

キッチンにはオーブンがあった。庭にはローズマリーといくらかのハーブが植えてあった。

私は灯台守として整備を行ったり、海上パトロールに出ることもあったがあまり忙しい仕事でもなく、予定が無ければ釣りをして捌いて調理したり、海の絵を描いたり本を読んだりして過ごした。同じく死んでしまった友人と会って生きてた頃の話をしたりゲームをしたりして過ごした。

天国での暮らしに慣れた頃に、思い立ってガレージで潜水艦を造り始めた。部品を買ってきて加工して組み立てて、出来るかどうかも分からないものをコツコツ作っている。

一つ寂しいのは家族が居ないことだ。皆まだ生きてるからここには居ない。それはうれしくもあり残念でもある。家族が死んだからといって会えるかどうかは分からない。きっと会えるだろうとは思う。

天国といえども楽しいことばかりではなくイヤなことも悲しいこともあるがそれを含めて良い暮らしだ。

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どうやら私はウトウトしていたようで変な夢を見ました。今日のデスクトップの壁紙のせいかな。

なんとなく、今の暮らしは天国からそれほど遠く離れていないんじゃないかという気がしました。