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まん延するニセ「ロングテール」

「アリは2割がよく働き、6割が普通、2割は遊んでいる。よく働くアリばかり集めても、遊んでいるアリばかり集めても、比率は同じになる」という話は違うんだそうだ。まぁ現実はそんなところでしょう。

Over 40:常に働かない「働かないアリの寓話」のウソ

そんなアリ寓話は割とよく聞く話なんだけども、(例えば:競争優位を獲得する最新IT経営戦略)どういったカラミで出てくるかというと、パレートの法則 (Wikipedia) がらみでよく出てくる話だ。あれだ、売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出しているとか仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出しているとか。

特に有名なのは

商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。

というもの。何故有名かというと、企業家はその全商品の「2割」を注目する(パレートの法則)のに対して8割に注目するロングテールという戦略(web2.0ってヤツですな)が注目を浴びてるわけです。

web書店のamazonの戦略がこれに当たる、と。いやぁたいしたもんだアマゾン、ってことで有難そうに、コンサルあたりがもったいぶって語ってたりします。

話題のナレッジベース「ロングテール理論」はリアルからネット、「パレートの法則」ポータルからブログへの進化を表す

でもよく考えてみるとおかしな話で、パレートの法則自体、法則というほどの何の根拠も無い。法則といっても科学のそれではなく単なる経験則。話としては面白いがコジツケの域を出るものではなく、ただの思い込みだ。2:8だったり1:9だったりアバウトだし、なんとなく当てはまるケースが多いよね、という占いの結果みたいなものでしかない。それを数学や物理の定理の如くに語る経済学者やコンサルもそれに踊らされる連中というのも哀れなものです。

amazonのロングテールという戦略はつまりはそういった「固定観念を打破した発想」という点で素晴らしく、法則の如く語られたものをただの思い込みに過ぎないと暴露した点が画期的なのです。

ああそれなのにそれなのに。ロングテール「の法則」だとかラベルを貼って結局再度固定観念化して一つの法則の枠にはめ込もうとする愚かさ。そういう話を持ち出すコンサル系の人に「常識という固定観念を打破したところにビジネスチャンスが…」なんて言う資格は無い。

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世界はそれほど単純にはできていません。

リスペクト:
YouTube - 視点・論点「まん延するニセ科学」
テープ起こしの労作:うしとみしよぞ - 視点・論点「まん延するニセ科学」

蛇足:
「固定観念」の使い方は厳密には誤用ですね。すんません。

逆リンク(関連記事):
ArtSaltのサイドストーリー ロングテールと科学

コメント (2)

この法則って誰が見てもわかりやすいとこがいいんでしょうね。
学校では「オリンピックのメダルの80%は出場国上位20%が獲得する」なんていう例で
習った気がする。

metro:

わたしも考え方としては好きなんですけどね。
そういう考えで、イロイロ考えが広がればいいんですが、どうも決め付けることが多いようですしねぇ。そこが。

しかし学校で習うのか。まぁ水伝も学校で教えてるらしいしなぁ。それよりずっとマシ?(笑

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